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 【花主】至急この人の取説を配布してください

* 無表情なあなたへの気苦労七題 * お題配布元 >> jachin様

書いた自分が言うのもなんですが。
一応花主のつもりでは書いてるんですが、主人公が天然か計算か解釈を変えるだけで、花主・主花のどちらにでもなってしまうのは当サイトの仕様です (爆) お好きなほうで読んでいただくと良いかと思います。

って、ドンだけカップリングアバウトなんだ、私 (爆)
友人洗脳にならないじゃないか……。

てか、そもそも無表情じゃなくなってる気がしますので、お題挑戦失敗?

ついでに数学の先生のキャラもアヤシイです。確認できなかったので (爆)
確認したらそこだけ直すかも……。
(2/20確認して直しました)



そんな仕上がりですがよろしかったらどうぞ。
相変わらず主人公視点は難しいので花村視点です。



*****

Q.月森孝介の弱点は?
A.よくわかりません。

自分と同じ都会からの転校生。クラスメイトたちの受け止め方は同じはずなのに、どう言う訳か自分とはまったく違う扱いを受ける奴。まあ、花村の場合『ジュネスの息子』という特大の枕詞が付いてしまってるが故に色眼鏡で見られている部分もある。
でも、それを言ったら月森だって『刑事の甥』と言うレッテルがあるのだが。

(それって結局安心材料?)

ここ、稲羽市で起こっている連続殺人事件の犯人は依然不明なまま。ひょんなことからペルソナ能力を持った自分達特捜が一番真実に近いところにいるのは間違いないだろう。けれど、何も知らない一般市民からしたら、この辺鄙な土地に以前のような平和な日常を取り戻してくれるのは警察に他ならない。

(まあ、それだけじゃねぇか)

カチカチとシャープペンの尻を押して芯を出しノートに向かうと、今までの月森の行動をつれつれと思い返してみる。

一、転校初日担任のモロキンに食ってかかる。
(あの勇気は賞賛に値する)

一、転校早々に学年トップを掻っ攫う。
(都会から来てればできないことじゃねーよな。……俺は無理だけど)

一、たまに手作り弁当を持ってくる。
(これが激ウマ! うちの母親より美味いってどうなの)

一、なんか妙にコミュニケーション能力が高い。
(一緒に歩いてるとそこらじゅうで声かけられる。つか、動物まで寄ってきやがる!)

一、極めつけ、女子にやたら人気が高い。
(えーえーどうせ俺はガッカリ王子ですよ)

一つ一つノートに書き出してみて、改めて月森の凄さに打ちのめされた。非の打ち所が無いって言うのはこう言うことなんだろう。これで同じ高校二年だっていうんだから敵わない。

(ま、ぶっちゃけそんなことはどーだっていいんだけどな)

実のところ、月森が対外的に如何にに人間離れ ― は言い過ぎか ― した奴かなんてのは、たいした問題じゃない。花村自身、悔しく思う気持ちがまったくないと言えば嘘にはなるが、それでも純粋にすごいと思うし、そんな奴を『相棒』呼ばわりしてる自分の鼻も高いというものだ。
問題なのは、どことなく表面を覆ってる膜があるっていうか、見えてるものが本物じゃない気がする。なんと言うか実感が薄いということだ。

「イマイチ本心読めない感じがするんだよな」

気を許してないと言うか。隙がないと言うか。ともすれば皆に向ける笑顔すら、波風立てない為、平穏無事に一年を過ごす為の仮面なんじゃないかと勘ぐりたくなる。
まあ、花村とて、月森が転校してくる前までは、無意識に稲羽を見下してるところがあったし、いつか帰るんだと思っていたから努力して馴染もうなどと考えてもいなかった ― それでも一人になるのはヤッパリ嫌で当たり障りなく友人とも言えない様な友人関係を築いていた訳だが ― から、月森のそんな様子に自分の転校したての頃を勝手にダブらせて苦笑したりしていた。

が、最近明らかに月森がおかしい。
おかしいというと語弊があるのだが、どうにも今までと違う表情が見て取れるようになった。最初は吹っ切れて肩の力が抜けてきたのかな、と思ったのだが、他の特捜のメンバーやクラスメイト、その他もろもろと一緒にいる月森は余り前と変わらない。けれど、花村が眼にする月森には明らかな変化が見られる。

早い話仮面が外れるのだ。花村限定で。

それはそれで月森と同じく都会から来てこの場所で馴染み始めている自分に、共感してもらえたのかな、とか、相棒として認められたのかな、とか、思い当たる節がない訳ではない。けれどそれを口に出してもらった訳でもないし、相変わらず自分自身のことは必要以上に話さない。結局の所ヤッパリ月森の本心は掴めないままだ。
色素の薄い瞳の奥でどんなことを考えているのか。少しでも本心を読み解こうとして、吸い込まれそうになりながら何度それを見つめ返したことだろう。

ところが、そうこうしているうちに、どうにも変な気分になってきて。
実はここの所まともに月森を見れなくなってしまっている花村だった。

こうして授業中に後ろから彼のすらりと伸びる背筋を見るのが、何とか許容範囲内。それも油断すると首筋に浮き出る頚椎に妙に心臓を刺激される。プリントなどを配られて、振り返られるとかなりの確率でアウトだ。

一度どうしてそんな顔をするのか、と尋ねてみたけれど。

「そんな顔って……どんな顔だ?」

正しくそんな顔だ!!! と突っ込みたくなるような顔で返されて、花村が身悶えたのは言うまでもない。

「無意識って恐ろしい」

頼むからその顔を女子たちに向けるなよと本気で思う。絶対大騒動になるに決まってる。そもそも男の自分だって既にかなり惑わされているんだから……。

「って!!! なんだソレ?!」

いやいやいや、ないないないと大きくかぶりを振ってる花村に、教壇から静かな怒りが投げられた。

「あーら、花村クン。授業内容にダメ出しするとはいい度胸ネ」
「え? あ、あはははは……」

しまった、今が授業中だということをすっかり忘れていた。やばいと思っても後の祭り。忘れているぐらいだから授業内容なんてこれっぽっちも聞いてはいない。ダメ出しなんてしたつもりはもちろんない。つかダメなのは自分の思考だろ、と、この期に及んでまだセルフ突っ込みを入れる。
しかし明らかに損ねた教師の機嫌にどう対応したら良いものか。

「黒板。二行目。あれ計算間違いだ」
「え」

前の席で授業を受けていた月森が、こっそりと花村に助け舟を出した。

「どこがダメなのか言ってもらおうじゃないノ?」
「あ、あーっと、その二行目、計算間違ってないっすかね?」
「……適当なこと言ってるとただじゃおかないワヨ?」

と、不機嫌をそのままに黒板に振り返った教師が、指摘された数式をざっとさらう。

「あら? あらら? ごめんなさい。確かにこれは先生のミスネ。花村クン、凄いワ、良く気づいたわネ!」
「え、あ、まあこのくらいは朝飯前っすよ」
「ふふ、大きく出たわネ。次のテストが楽しみだワ」

や、ソレはマジないから。と思いつつも、どうやら月森のおかげで無事にこのピンチは切り抜けられたようだ。事の発端は月森にあることなぞすっかり忘れて、持つべきものは相棒だなーとしみじみ思い、ホッと肩の力を抜いた花村は、前に座る月森の制服の襟を軽く引っ張った。それに攣られるようにして月森が少し頭をこちらに倒す。

「サンキューな」
「どういたしまして」

わずかに向けた視線が、笑みですっと細くなる。そんな些細なことにも花村の胸はドキリとした。というか、忘れていた自分のWEAKを狙い打たれて撃沈だ。

「花村?」
「…………俺、もうだめかも」

なんか無性に白旗を上げたい気分になって、花村はがっくりと頭を垂れた。

「大丈夫だって、教えてやるし」

おそらく、まず間違いなく、月森の教えてくれるのは『勉強』だろうが。

「や、そーじゃなくて」
「?」

ああ、もう、その顔もダメなんだって言ってもどうにもならないんだろうか。きょとんとわずかに首をかしげた月森に、1moreされるのを実感する。
こうなったら早いところ月森をアナライズしないと、間違いなくボコられる。というか。

「よくわかんないけど、おれで教えられることなら何でも教えてやるから、そう腐るな」
「!」

ぐしゃぐしゃと髪の毛をかき回されて。

Q.花村陽介の弱点は?
A.月森孝介です。

既にアナライズされている自分は弱点晒しまくりだと言うことを、これでもかと実感させられた花村だった。




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