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 【花主】はなたん

花村誕生日おめでとう!!!

ってことで、お祝いSSです。タイトルは思いつかなかったので(タイトルつける作業が一番苦手)まんまです。つかこれタイトルなのか? そもそも;;

実はもうひとつネタがあって……ぶっちゃけ主人公にエロイご奉仕してもらうってのも考えたんですが……もしかしてそっちのほうが良かったかな;;

ま、まあそっちは追々UPするかもしれません。
でも、この豆腐ネタも書きたかったんです!
6/22がりせちーから豆腐もらう日だなんて、どこまで可哀相なんだ花村ww

とりあえず、まだ親友以上恋人未満的な感じで。
だって、6月だし。一応それでもコミュMAX辿り着けるは着けますが……ねぇ。


■ 2011/6/27 続きのはなたんたんUPしました。



尚、このSSは7/5までフリーとさせていただきます。

拙作で宜しければお持ち帰りになってくださいな。
念のため、著作権は手放しておりませんので、改変や再配布、自己創作物としてのUP等は厳禁です。
それ以外でしたらご自分のサイトにUPなさっていただいてももちろん飛び上がって喜びますし、自PC内でニヤニヤしていただいても嬉しいですし、ゴミ箱に放り入れていただいても構いませぬ……orz
一言コメント(拍手でも可)落として行っていただけると泣いて喜びます!

(7/5終了しました。ありがとうございます!)


*****

「おとうふ、まだいっぱいあるね」

夕飯で冷奴にして山盛り食べたにもかかわらず、堂島と二人それぞれりせから貰った豆腐の冷蔵庫占有率は、非常に高いままだった。頻繁に水を取り替えれば結構日持ちするものではあるが、さすがに冷奴ばかりでは飽きてしまう。

「とりあえず、明日の朝は豆腐の味噌汁だな」
「あ、菜々子目玉やきやいてもいい?」
「じゃあ、お願いしようかな」

それでも一丁使うか使わないかだろう。あとパッと思いつくのは麻婆豆腐ぐらいか。でもこれは菜々子にはちょっと辛そうだ。残るは湯豆腐や鍋だが、季節柄どちらもちょっと遠慮したい。どうしたものかと孝介が豆腐とにらめっこをしている脇で、菜々子がニコニコとこちらを眺めている。どうやら何か孝介の手伝いがしたいらしいが、既に後片付けも済んでしまったし、特にこれといって思いつかない。

「菜々子、叔父さんと風呂入っておいで」

せっかく堂島が早く帰ってきたのだし、たまには親子のスキンシップを促したほうがいいだろう。そうでなくてもこの親子はコミュニケーション不足だから、と自分の家族を棚に上げて孝介は一人ごちた。

「そうだな、菜々子、久しぶりに一緒に入るか」

居間で新聞を読んでいた堂島の耳にも入ったようで、嬉しそうにそれを閉じ腰を上げる。が、次の菜々子の台詞でその笑顔が凍りついた。

「えー、菜々子お兄ちゃんと入る」

五月の連休以来、何かにつけ『お兄ちゃんお兄ちゃん』と懐いてくれるのは嬉しいが、さすがにこれは叔父である堂島の視線が怖い。

「お兄ちゃんはまだやることあるから、待ってたら寝る時間になっちゃうよ」

それに。
ちょいちょいと菜々子を手招きすると、不思議そうな顔をして菜々子が近づいてくる。

「父の日、何もできなかったって言ってたじゃないか。一緒に入ったらお父さん喜ぶよ?」

そう囁くと、菜々子はパアッと音がするほど晴れやかな笑顔を浮かべた。

「菜々子、お父さんとおふろ入る!」
「おっし、じゃあ入るか!」
「うん! お父さんせなかながしてあげるね?」
「おおそうか。そりゃ嬉しいな」

一瞬にして解凍した堂島と仲睦まじく風呂場へと消えていく菜々子を微笑ましく見送りながら、孝介は冷蔵庫へと向き直る。そこにはさっきと変わらずどっかりと鎮座する豆腐の山。美味しい豆腐であるだけに無駄にするのは忍びない。

「明日図書室でレシピを調べてくるか」

いつまでも見つめていても現状が変わる訳でなし。振り切るように冷蔵庫の扉を閉め、自室へ向かうべく階段を上り始める。

PiPiPiPiPi……

中ほどまで上ったところで、尻ポケットに入れてあった携帯が着信を知らせた。

「花村?」

開いて画面を見ると、そこには『花村陽介』の表示。もしかして何かあったのだろうか。だとしたらこんな階段の途中で話をしていて堂島が風呂から出てきても困ると、足早に部屋へ入る。そして恐る恐る通話ボタンを押した。

『月森? 俺俺』
「どうした? なんかあったのか?」

りせの事があるだけに、警戒心からちょっと声のトーンが低くなる。

『あ、や、別に何もねーんだけど……』

が、携帯の向こうから聞こえてくる陽介の声は暢気もので。

「何だ、脅かさないでくれ」
『悪ぃ』

孝介は安心して大きく息を吐いた。

「で、どうしたんだ?」
『あ? ああ、聞いてくれよ俺もう今日最悪! せっかく生りせちーに会えたっつーのに締めが酷すぎ。つかあの豆腐ナニ!』

そういえば、陽介も完二もりせから山ほど豆腐をもらって帰った。孝介みたいに二人分でないだけマシだろうが、それでもやはり一度で食べきるには多い量だ。

「花村のところはおばさん料理上手そうだし、いろいろ手を加えてくれたんじゃないのか?」
『そうだけどよー。いくらなんでも豆腐フルコースってのは酷すぎると思わねぇ?』
「フルコース? それはすごい」

さすがについ一ヶ月ほど前からまじめに料理を始めた自分とは比べ物にならないと孝介は感心した。

『そこ、褒めるとこじゃねぇから!』

けれど、豆腐嫌いの陽介にしてみれば、今夜の食卓は地獄絵図だったのだろう。陽介の声に怒気が含まれる。

「そうかもしれないけど、うちなんか叔父さんも持って帰ってきたから花村のうちの倍はあるぞ? とりあえず冷奴にして今夜は食べたけど、後はどうしようかさっきから考えてたんだ。さすがに湯豆腐や鍋は嫌だし。いったいおばさんどんなフルコース作ったんだ?」
『え? うーんと、冷奴と麻婆豆腐、それにゴーヤチャンプルーと豆腐グラタン。豆腐ハンバーグに揚げだし豆腐、豆腐ステーキアボカドソースがけ、あと肉豆腐もあったし……』
「なんかすごいな。そんなにおかずがあっても食べきれないんじゃないか?」

フルコースというより、豆腐料理オンパレードだ。しかし、ハンバーグやグラタン、ステーキにまですることができるなら冷蔵庫の豆腐を消費するものさして難しくないかもしれない。

『だろ? 普段だってこんなに作んねぇってのに! それにおかずだけじゃねーんだこれが』
「え?」

おかず以外に豆腐?

『ケーキだよケーキ、チーズケーキに豆腐入れやがったあのババァ!!』
「ババァって……」

いくらなんでも自分の母親に向かってその言い草はないだろうとも思うが、やっとのことで息をついたデザートでまでやらからされた陽介の心中も察して余りある。

「でも、花村のうちは食後のデザートまで出てくるんだ? おばさんさすがだな」
『いやいやいや、ないないない。そんなことぜーんぜんない。今日は……まぁ、誕生日だったから特別』
「誕生日? 誰の? もしかして……」
『あー……、その、ん、ま、そ。花村陽介くん、今日で花の十七歳』

そんなこと、今の今まで一言も言わなかったので、孝介は驚いた。それならそれでみんなで祝ってやることぐらいできただろうに。

「そういうことは先に言え。お祝いできなかったじゃないか」
『や、でも今それどころじゃねぇし』

それは確かに陽介の言う通りだが、一年に何度もあることでなし水臭いと孝介は思う。

『それに、今日生りせちーに会えたしな! 豆腐ぜめにも遭ったけど』
「そうか」

言われるまでもなく今日の陽介の舞い上がりぶりは尋常じゃなかった。本当にりせの大ファンなのは良くわかったから、あれはあれですごいプレゼントだったのだろう。

「花村」
『ん?』

でも誕生日であるならば、これぐらい言っても構わないだろうと孝介は襟を正す。

「誕生日おめでとう」

不意を突かれた陽介が、携帯越しに息を呑んだのがわかった。

『お、おお、サンキュー。なんか改めて言われるとテレんな』
「プレゼント何が良い?」
『え、いいってそんなの』
「いいから、遠慮するなって。ほら」
『んなこといきなり言われたってよ』

急かす孝介に陽介が唸る。そもそも孝介にだって今日が誕生日だと言うつもりがなかったようだから、さもありなん。ああでもないこうでもないと考えのまとまらない陽介に焦れて、ふと思いついたことを孝介が口にした。

「じゃあ、何かひとつ頼み事を聞いてやるってのはどうだ?」
『何かひとつ……』
「そ、宿題やってやるでもいいし、掃除代わってやるでもいい。弁当作ってやってもいいし。おれにできることだったら何でもひとつ」

それなら陽介も気兼ねなく受け取れるだろう。もちろん、これだけでは物足りないので、某かプレゼントは用意するとして。

「あ、でも回数増やすのは無しで」

後五回いうこときいて、とか言われるとキリが無いので一応そこは釘を刺しておく。

『ん、じゃそれがいい』
「じゃあ、そういうことで。明日形にして持っていくから」

『何でもしてやる券』なんて、子供の頃に両親相手に作ったぐらいで久しぶりだ。と、そこまで考えて、これは菜々子の遅くなった父の日のプレゼントに良いかもしれないと思いつく。

『サンキュー、楽しみにしてる』
「うん、じゃあおれまだ宿題残ってるから」
『うっわ、ヤベ、宿題すっかり忘れてたわ!』
「なんか、明日早々に券使っちゃいそうだな、花村」
『んなことねぇって! せっかく月森が何でもしてくれるっつーんだからゆっくり考えて使わせていただきますー』
「そうしてくれ。じゃあな」
『おう、明日学校でなー』

電話を切ると、ちょうど菜々子たちが風呂から出た音がした。

「お兄ちゃーん。おふろあいたよー。さめないうちに入れってお父さんが」
「わかった、すぐ行く」

とりあえず、紙と鉛筆とはさみ。それに菜々子に色鉛筆を借りればそこそこのものができるだろう。がたがたと机の中から道具を取り出し着替えと一緒に手に持って孝介は自室を後にした。




はなたんたん>>






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